2020年4月7日現在、新型コロナウイルスの猛威により
皆様も大変な中で過ごされていると拝察いたします。
明日の4月8日は降誕会。
御釈迦様が生まれた日にちといわれています。
例年とは少し、気持ちも環境も違いますが、無事に厳修したいと願っております。
そんな中、足利の建長寺派の釆澤良晃師とお電話でお話ししたところ、
疫病に向けたお経が臨済宗の日課経典にあると教えて戴きました。
卻瘟神呪(ぎゃくおんじんしゅ)というお経です。
修行時代、朝のお勤めの中で諷経していたものでした。
(福厳寺様のサイト)
https://www.fukugonji.or.jp/topics/index.php?id=171
【卻瘟神呪(ぎゃくおんじんしゅ)】
南無仏陀耶 (なむふどやー) 南無達磨耶(なむだもやー) 南無僧伽耶 (なむすんぎゃーやー)
南無十方諸仏 (なむじーほーしーぶー) 南無諸菩薩魔訶薩(なむしーぶーさーもこさー) 南無諸聖僧(なむしーしんすん)
南無呪師(なむしゅうしー) 沙羅佉(さらぎゃー) 沙羅佉(さらぎゃー) 沙羅佉(さらぎゃー)
莫多南鬼(もとなんきー) 阿佉尼鬼(あぎゃにーきー) 尼佉尸鬼(にぎゃしーきー) 阿佉那鬼(あぎゃなーきー)
波羅尼鬼(はらにーきー) 阿毘羅鬼(あびらーきー) 波提棃鬼(はーだいりーきー)
疾去(しっこー) 疾去(しっこー) 莫得久住(まくとくくーじゅう)
【口語訳】「禅門陀羅尼の世界」P315 野口善敬編 禅文化研究所
仏に帰依します。法に帰依します。僧に帰依します。十方の諸々の仏方に帰依します。
諸々の菩薩方、偉大なる(菩)薩方に帰依します。諸々の聖僧(阿羅漢)に帰依します。
呪師(行者)に帰依します。
追い払いたまえ。追い払いたまえ。追い払いたまえ。
莫多南鬼 阿佉尼鬼 尼佉尸鬼 阿佉那鬼 波羅尼鬼 阿毘羅鬼 波提棃鬼
速やかに去れ、速やかに去れ。いつまでも(ここに)住まるな。
このお経は我々各々が誦む事で、我々の内に確かにある思い、
自分が、自分だけが救われたいという気持ちで無く、
大変な中であっても、親や子や兄弟の、親族の、周りの方の、友人の、恩師の、
今、医療現場で最前線に立たれている方たちの、働かなくてはならない方たちの、
様々な方たちの無事息災を願わずにはいられない。、
自分も、他も、幸せを願う。
その気持ちへの気付きの一助となるお経だと学びました。
ただ、このお経、読み慣れない方が諷経するには少し難しいかもしれないのですので、
代わりに、という訳ではありませんが、臨済宗の和尚さん方はこのお経を毎日諷経して、
皆様の幸せを願い、祈っているという事で安心して戴ければ幸いです。
平安時代より伝わっているといわれるこのお経、
疫病の退散を願い健やかに今を生きる我々が過ごせますように。
という御先祖さま方が紡いできた願いが伝わっております。
修行道場では3回繰り返し唱えておりました。
良く調べると3×7の21回、お唱えするのが良いようです。
一日一日、出来ることを活かせるように、出来るだけ過ごしていく事。
臨済宗、禅宗、仏教の教えの肝となるものです。今、我々が出来る事は各々によって違うと思います。
共通して出来る事は手洗い、うがい、不要不急な外出をしない事となります。
実際に我々各々、何が出来るのか。
分からないけれども、自分だけではなく、他の方たちの幸せ、無事息災を祈らずにはいられない。
そんな皆様の一助になれば、という思いでこちらの記事を載せさせていただきます。
口語訳は「禅門陀羅尼の世界」野口善敬編≪禅文化研究所≫を参照しております。
お経全文はこちらからもダウンロード出来ます。
卻瘟神呪